末梢神経障害による腰痛

腰痛の原因というと、椎間板ヘルニアや、腰部脊柱管狭窄症を思い浮かべられる方が多いと思います。しかし、末梢神経障害による腰痛というものが意外に多いということが、最近分かってきました。腰部の皮膚には、皮膚の感覚を司る「皮神経」と呼ばれる細い神経があります。これらが何らかの原因で筋膜などに癒着したり、瘢痕組織で圧迫されたりすることにより、腰痛を起こすのです。...

腰椎固定術の問題点

固定術の現状 腰痛や下肢の痛みに対して、多くの腰椎手術が行われています。そしてそのうちの多くが、スクリューなどの金属を用いた腰椎の固定術です。 多くの患者さんは、固定術の問題点を知ることなく手術を受けています。無理もありません。多くの医師が、そもそも、固定術の問題点を理解せずに手術を行っているのかもしれないのですから。 こう言うと、かなり過激な発言に聞こえるかもしれません。しかし、これは、私自信が20年以上にわたって、顕微鏡を使った低侵襲な脊椎手術を行ってきた経験から言っていることなのです。 腰椎手術の目的は神経の除圧...

椎間孔とは?

1.椎間孔とは? 最近、椎間孔や、椎間孔狭窄症という言葉を、よく耳にされるかもしれません。脊椎の病気で、見逃されやすいものの一つですが、しかし、では椎間孔って何なのか、といわれると、なんとなく漠然とした理解しかお持ちでないかもしれません。 このページでは、椎間孔について、以下の順番で、、できるだけわかりやすく説明してみたいと思います。 椎間孔から出る脊髄神経について 神経の圧迫と、症状の関係について 椎間孔狭窄症とその治療について 2.人間の体は脊髄神経に支配されている。...

腰椎椎間孔狭窄症の手術

腰椎椎間孔狭窄症は、足にいく神経が腰椎から出てくる穴の部分が狭くなり、神経が圧迫されて起きる病気です。ひどい腰痛や下肢痛を起こす場合には、手術が必要になります。本稿では、この手術について、次の内容で解説します。 椎間孔狭窄症の手術は低侵襲で安全です。 手術の成功率は高く、劇的な改善も期待できます。 正しい診断を受けて、経験のある医師の手術を受ける必要があります。 1.椎間孔狭窄症の手術は低侵襲で安全です...

腰椎椎間孔狭窄症の手術成績

先週、椎間孔狭窄症の患者さんの手術をしました。患者さんは77歳の女性で、長年腰痛に苦しんでおられ、腰痛のために長距離の歩行ができず、生活に支障がある状態でした。いくつかの有名病院を受診されていましたが、診断がつかず、私のところに来られました。 腰椎MRIを、私のところで工夫した、特別なシークエンスで撮影したところ、腰椎の椎間孔狭窄症が疑われました。さらに、神経根ブロックで診断を確定し、最終的に、手術をお勧めすることができました。...

腰椎の固定は本当に必要?

腰部脊柱管狭窄症に対して、多くの場合に固定術が行われています。椎体にスクリューを挿入してロッドで固定する手術です。しかし、この固定は、本当に必要なのでしょうか? ただし、神経の圧迫を侵襲の少ない方法で取り除く技術が必要です。 私の考えでは、ほとんどのケースで、固定は必要ないだろうと思われます。...