脳神経外科と脊椎手術

脳神経外科?脳外科?神経外科? 欧米の脳神経外科での脊椎手術の歴史と現状 日本での「脳神経外科」の誕生 脳神経外科での脊椎手術 脳神経外科?脳外科?神経外科? 我々の専門科は、脳神経外科ですが、一般には、「脳外科」と呼ばれることが圧倒的に多いと思います。そのためか、脳神経外科の主要な部門の一つが脊椎手術である、という点が一般に認識されていません。...

腰椎椎間孔狭窄症の診断

腰椎椎間孔狭窄症は、診断が困難なことで知られています。私も、この病気の診断には、大変苦労をし、いろいろと試行錯誤を続けてきました。今回の記事では、何故この病気の診断が難しいのか、そして、私の現在の診断方法について解説したいと思います。 腰椎椎間孔狭窄症の症状 腰椎椎間孔狭窄症の画像診断 Thin-slice MRI 神経根ブロック 症状...

脊髄空洞症の病態と私の新理論

脊髄空洞症という病気がみつかってから、すでに100年以上が経ちます。その間、この病態について、多くの仮説が建てられてきましたが、この病気の原因は、いまだもってよくわかっていません。本稿では、脊髄空洞症の病態研究の歴史と、現在残された問題点、そして、私が最近発表した病態の新理論についてお話ししたいと思います。 脊髄空洞症研究の歴史 仮説の問題点 私の新理論 脊髄空洞症研究の歴史 Gardnerの仮説...

上殿皮神経絞扼による腰痛

上殿皮神経という、聞きなれない名前の神経がありますが、この神経が、実は、腰痛の原因の一定の割合を占めていることが、最近わかってきました。まだ、外科医一般にはあまり知られておらず、診断がつかずに見逃される場合が多いようですが、正しく診断して、治療をすれば、症状を劇的に改善することができます。 本稿では、この病気について、以下のように説明してみたいと思います。 上臀皮神経絞扼とは何か? なぜ、診断が難しいか? どのように診断するか? どのように治療するか? 上臀皮神経絞扼とはなにか?...

腰椎側湾症に伴う椎間孔狭窄症

腰椎側湾症とは、腰椎が前から見た時に、左右に傾いたり、S字状に変形したりしている状態のことを指します。脊椎の側湾症には、思春期に発生するものと、高齢になって脊椎の変性によって発生するものの2種類がありますが、本日の記事では、後者について述べます。腰椎側湾症という病気があります。本記事では、以下の内容で、この病気について解説します。 腰椎側湾症と椎間孔狭窄症の関係 腰椎側湾症の治療 椎間孔開放術の問題点 現状と今後の展望 腰椎側湾症椎間孔狭窄症の関係...

畏友、谷口真君を悼む

私の大学の同級生、谷口真君がなくなって、もうすぐ1年になります。昨年の10月、通勤の途中に、メールで訃報に接し、あまりに突然のことに呆然としてしまったことを憶えています。コロナ禍のため、葬儀にも出席できず、いまでも気持ちが整理できていません。彼が亡くなったことがまだ信じられないような気持ちです。 谷口君は、都立神経病院の部長として、多くの脊髄・脊椎疾患の手術を手がけ、脳神経外科の脊髄手術において、日本のリーダー的存在でした。彼と私は大学も同期で、脳神経外科に入ったのも同じ。初めて知り合ったのは、もう40年近く前になります。...

低髄液圧症候群

低髄液圧症候群、または別名、脳脊髄液減少症、特発性低髄液圧症候群と呼ばれる病気は、何らかの原因で、脳や脊髄周辺を循環している脳脊髄液が減少し、脳の圧が低下することによって起きる病気です。 症状 典型的な症状は、起立性の頭痛です。すなわち、横になっているときには頭痛が起きないのに、座ったり立ったりする姿勢になると、頭痛が起きるというものです。 原因...

Failed Backと腰椎椎間孔狭窄症

Failed backとは、英語で、「失敗した腰」という意味で、腰椎の手術をした後に、症状がよくならなかったり、むしろ悪化したりした状態のことを指します。腰椎の手術は、100%成功するというわけではありませんから、一定の確率で、そのような結果となるのは、ある意味仕方がないことかもしれません。幸いなことに、わたくしのところの手術で、Failed backというような状態になることは、きわめて稀で済んでいます。 Failed...

末梢神経障害による腰痛

腰痛の原因というと、椎間板ヘルニアや、腰部脊柱管狭窄症を思い浮かべられる方が多いと思います。しかし、末梢神経障害による腰痛というものが意外に多いということが、最近分かってきました。腰部の皮膚には、皮膚の感覚を司る「皮神経」と呼ばれる細い神経があります。これらが何らかの原因で筋膜などに癒着したり、瘢痕組織で圧迫されたりすることにより、腰痛を起こすのです。...

腰椎固定術の問題点

固定術の現状 腰痛や下肢の痛みに対して、多くの腰椎手術が行われています。そしてそのうちの多くが、スクリューなどの金属を用いた腰椎の固定術です。 多くの患者さんは、固定術の問題点を知ることなく手術を受けています。無理もありません。多くの医師が、そもそも、固定術の問題点を理解せずに手術を行っているのかもしれないのですから。 こう言うと、かなり過激な発言に聞こえるかもしれません。しかし、これは、私自信が20年以上にわたって、顕微鏡を使った低侵襲な脊椎手術を行ってきた経験から言っていることなのです。 腰椎手術の目的は神経の除圧...
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