脊椎固定が不要な脊椎手術

はじめに 腰部脊柱管狭窄症や椎間孔狭窄症の手術では、腰椎の固定術を勧められることが多いと思いますが、はたしてこれが本当に良い治療法かという点については、専門家の間でも議論のあるところです。私自身は、脊椎手術の専門家として、過去25年以上低侵襲な除圧術を行ってきましたが、固定術が必要になった症例はほとんどありません。なぜこのような違いが生まれるのでしょうか?本記事では、この点について解説し、私が行っている低侵襲な除圧術について紹介したいと思います。 概要 固定術の歴史 固定術の問題点 固定術は必要か? 低侵襲な除圧術の考え方...

2024年4月以降の診療

東海大学退官 私は、2024年3月いっぱいで、東海大学脳神経外科教授を定年退官します。東海大学での外来は3月14日(木)が最終となり、東海大学での手術は終了となります。この間、全国多くの皆様から問い合わせを頂いており、腰椎疾患でお困りの方が非常に多いということを知りました。私も、まだ手術ができる体力がありますので、2024年4月以降は、別の病院で、外来と手術を継続する予定といたしました。 今後の診療予定...

足底のしびれ:足根管症候群?腓骨神経絞扼?

足の裏のしびれでお困りのかたは意外と多いかもしれません。この投稿では、足底のしびれの原因となる病気、特に足根管症候群とその問題点、そして見逃されやすい疾患である腓骨神経絞扼について述べたいと思います。 足底のしびれと足根管症候群 足根管症候群の問題点 見逃されやすい、腓骨神経絞扼 腓骨神経絞扼の診断 腓骨神経絞扼の治療 結論 足底のしびれと足根管症候群...

脊髄空洞症の手術

はじめに この記事では、脊髄空洞症と診断されて、手術を勧められた方のために、脊髄空洞症の手術はどういうものかをできるだけわかりやすく説明してみました。 脊髄空洞症の原因には、大きく分けて、キアリ奇形に伴うものと、癒着性くも膜炎に伴うものがあります。詳しくは、この記事を参照してください。本記事では、より頻度の高い、キアリ奇形に伴う空洞症の手術について説明します。癒着性くも膜炎に伴う空洞症の手術いついては、また別の記事で説明します。また、乳幼児のキアリ奇形2型に伴う空洞症も、病態が異なりますので、この記事では扱いません。...

脊椎手術(頚椎、腰椎)の費用はいくらかかる?

頚椎や腰椎などの病気で、手術が必要だといわれたものの、費用はどのくらいかかるのだろう、とお悩みのかたもいらっしゃるかもしれません。この記事では、頚椎症の手術にかかる、おおよその費用と入院期間について説明します。この記事を読めば、ご自分の場合に、どのくらいの費用がかかるかがわかると思います。 高額療養費制度で、手術と入院にかかる費用の上限は決まっている...