執筆者 張 漢秀 | 10月 13, 2020 | レジデント向け
頚椎前方除圧固定術は、顕微鏡を用いた繊細な手技です。合併症を避けて、適切な手術を行えば、とても効果があります。脳神経外科医として、是非マスターしたい手技のひとつです。 1.体位 全身麻酔下に、仰臥位となり、頭部は馬蹄上に起きます。このとき、chin-up positionが取られていることが非常に重要です。...
執筆者 張 漢秀 | 10月 1, 2020 | 腫瘍
上衣腫というのは、あまり聞きなれない病名かもしれませんが、脊髄そのものから発生する、「髄内腫瘍」と呼ばれる腫瘍の一種です。この記事では、上衣腫について解説します。 上衣腫は、髄内腫瘍の中でも、全摘出が可能で、比較的良性の部類に入る。 手術はリスクを伴い、一時的に手術後症状が悪化する可能性が高いが、多くはその後回復する。 熟練した外科医に、設備の整った施設で手術を受ければ、良い希望が持てる。 1. 上衣腫とは...
執筆者 張 漢秀 | 9月 26, 2020 | 腰椎
腰椎椎間孔狭窄症は、足にいく神経が腰椎から出てくる穴の部分が狭くなり、神経が圧迫されて起きる病気です。ひどい腰痛や下肢痛を起こす場合には、手術が必要になります。本稿では、この手術について、次の内容で解説します。 椎間孔狭窄症の手術は低侵襲で安全です。 手術の成功率は高く、劇的な改善も期待できます。 正しい診断を受けて、経験のある医師の手術を受ける必要があります。 1.椎間孔狭窄症の手術は低侵襲で安全です...
執筆者 張 漢秀 | 9月 22, 2020 | 腫瘍
脊髄腫瘍の手術というと、どのようなことをするのか、危険性は高いのか等、いろいろなことが心配になると思います。そのような方のために、この記事では、脊髄腫瘍の手術について、簡単に解説してみました。 概要 私は、20年以上、脊椎の手術を専門にしてやってきました。約2000件の手術を行い、脊髄腫瘍も200件以上経験しています。 その経験からいえば、脊髄腫瘍の手術は決してこわいものではなく、熟練した専門医が行えば、手術前より状態が悪くなることは極めてまれで、ほとんどの場合に症状が改善し、多くの場合にその改善は劇的です。...
執筆者 張 漢秀 | 9月 17, 2020 | 頚椎
頚椎症性脊髄症とは 頚椎症性脊髄症というと、難しい病気のように聞こえますが、実際はそんなに複雑 なことではありません。要は、変形した脊椎の骨で脊髄が圧迫されることによって起きる 病気です。 脊髄というのは、手足に行く神経の束ですから、それが圧迫されると手足に症状がでます。 神経には、筋肉を動かす運動神経と、手足の感覚を脳に伝える感覚神経がありますから、 運動と感覚の療法の症状がでます。 具体的には、徐々に歩きにくくなって、歩行がふらつく、両手がしびれる、手で細かい作...