固定術の現状
腰痛や下肢の痛みに対して、多くの腰椎手術が行われています。そしてそのうちの多くが、スクリューなどの金属を用いた腰椎の固定術です。
多くの患者さんは、固定術の問題点を知ることなく手術を受けています。無理もありません。多くの医師が、そもそも、固定術の問題点を理解せずに手術を行っているのかもしれないのですから。
こう言うと、かなり過激な発言に聞こえるかもしれません。しかし、これは、私自信が20年以上にわたって、顕微鏡を使った低侵襲な脊椎手術を行ってきた経験から言っていることなのです。
腰椎手術の目的は神経の除圧
そもそも、腰痛や下肢痛は、なぜ起こるのでしょうか?手術が必要になるような腰痛や下肢痛は、腰椎の部分で、下肢に行く神経が圧迫されることによって起こります。圧迫は、加齢による骨の変形や椎間板の突出によって起こり、神経の圧迫部位は、脊椎の中心部の脊椎管か、トンネルからの出口(高速道路でいえばインター
チェンジ)である椎間孔の部位で起こります。
では、痛みを取り除くにはどうすればいいのでしょうか?答えは簡単です。神経を圧迫している骨や椎間板を削って、神経の圧迫を取り除けばいいのです。
私がほとんどの症例で行っているのは、この除圧術です。手術用の顕微鏡を使って、小さい傷から、必要最小限の骨を削って、神経を除圧します。圧迫部位が脊柱管か椎間孔かで、アプローチのしかたが少し異なりますが、原理的には同じ手術だと言えます。
なぜ固定術が行われるか
では、なぜ固定術がこんなに多く行われているのでしょうか?正直、私には理解が困難ですが、いくつかの理由が考えられます。
除圧術を行う場合、肉眼で手術を行えば、どうしても、必要以上に骨を削ることになります。このため、脊椎骨をつなぐ関節や靭帯が損傷されると、手術後に脊椎の安定性が悪くなり、骨がずれてきたりして症状が再発する可能性があります。それを防ぐために、除圧を行ったあとで、スクリューなどの金具を使って、脊椎骨を
固定してしまうのです。いってみれば、まず破壊を行って、それからそれを修復するというわけです。
しかし、顕微鏡を使って、低侵襲に確実な除圧を行えば、関節や靭帯も温存されるので、手術後に脊椎が不安定になることはないので、固定を行う必要はありません。
固定術の問題点
固定術の最大の問題点は、隣接椎間病変です。隣接椎間病変とは、固定を行った部分の隣の関節が、時間がたつにつれて傷んでくる現象で、かなりの確率で起こります。
固定された関節は、動かなくなりますので、その文、隣の関節に負担がかかるため、時間がたつにつれて、その関節が傷んできます。そのために脊柱管や椎間孔が狭くなり、神経を圧迫してくれば、腰痛や下肢痛の症状が出現します。
一椎間程度の固定であれば、まだ問題は少ないでしょうが、2椎間、3椎間と、固定の範囲が広がるに連れて、隣接椎間の問題は深刻になります。固定された椎体が、てこの原理で働くので、隣の関節に、より多くの負担がかかるからです。
固定術の費用
固定術に使われる金具は、医療用のものなので、きわめて高い価格が設定されています。スクリュー1本が、7万円ほどしますので、多椎間の固定などを行えば、材料費だけで、100万円や200万円は簡単に越えてしまいます。非常に効果な治療であることが分かると思います。
一方で、低侵襲な除圧術を行えば、この高価な材料費は一切必要ありませんので、医療費はとても少なくて済みます。今行われている固定術を、低侵襲な除圧術に切り替えることができれば、莫大な医療費の節約になるでしょう。
固定術の効果は実証されているのか?
では、この固定術の効果は実証されているのでしょうか?答えは、Noです。
医学の世界では、ある治療法の効果を検証するためには、ランダム化比較試験という臨床研究が必要です。患者をくじ引きで二つのグループにわけ、片方はある治療を、もう片方には別の治療(あるいはフェイクの治療)を行って、二つのグループの結果を比較するというものです。このような臨床試験の結果による証拠(エビデンス)に基づいて、治療方針が決定されます。
結論から言えば、腰椎の固定術には、確固としたエビデンスは存在しません。これは、秘密でも、過激な発言でも何でもなく、皆が知っていることです。腰椎の固定術には、確固としたエビデンスは存在しないのです。にもかかわらず、多くの腰椎固定術が行われています。びっくりされる方もいらっしゃるかもしれませんが、これが現実なのです。なぜ、このような事態になっているのか、私には理解することができません。
固定術はもとに戻せない
固定術のもう一つの問題は、もし、固定後に問題が起きても、一度固定したものは元には戻せないという点です。固定の悪影響で隣接椎間病変が起きたとしても、一度固定した骨は、元に戻すことはできません。ですので、多くの場合、隣接椎間病変は、固定の延長という方法で治療されます。これが、いかに非合理なことであるかは、少しお考えになれば分かるでしょう。固定を延長すれば、さらに次の隣接椎間に対する悪影響は、加速することが予想されます。その場合は、さらに固定を延長するのでしょうか?最初にさかのぼって、う少し良い治療方法があったのではないかと思うのですが。
ある症例
最近、ある患者さんに出会いました(実は、これが、この記事を書くきっかけになったのですが)。その方は、40代の女性で、腰痛と左下肢痛があり、ある大学病院の整形外科で手術を受けられていました。術前のMRIを見ると、左L5/S1椎間孔に狭窄があるのが見て取れます。レントゲンでは、ごく軽い側湾(前から見た時に脊柱が湾曲していること)があります。
これも、驚かれる方がいるかもしれませんが、このような椎間孔の狭窄は、多くの場合に見逃されているようです。椎間孔狭搾の画像診断は、とても難しいので、たとえ専門家と名のつく人でも、椎間孔狭窄の除圧術を多く経験していなければ、診断できないものと思われます。画像診断の専門家であっても、手術の効果を確認して、フィードバックを得ることができなければ、やはり診断は難しいでしょう。
この患者さんは、もし私が治療したとすれば、低侵襲な椎間孔の除圧術を行い、良好な経過をたどったであろうと予想されるのですが、この方がどういう手術を受けられたかというと、胸椎の10番から仙椎まで、8椎間にもわたる広範な固定術を受けられていたのです。当然ですが、このような固定を行われると、患者さんは腰を曲げることができず、自分で靴下を履くこともできません。確かに術後に腰痛はよくなったのですが、3ヶ月ほどして、左下肢の痛みとしびれが再発し、徐々に悪化してきたため、私の外来に来られました。L5/S1椎間孔の問題が再燃しているものと思われ、再手術を検討中です。
この例に関して言えば、術前の側湾はごく軽度であり、このような広範囲の固定を行う必要性はまったくなかったと思われます。このような治療が、どこかの特別な医師によって行われているのではなく、れっきとした大学病院の専門医によって行われている、ということは、これは特異な現象ではなく、日本でごく普通に行われている治療なのかもしれないということです。
この患者さんのことを知ったことが、この記事を書くきっかけとなりました。やはりこれは、正されなければいけないことだと考えたのです。ですので、この記事では、あまり自制をして当たり障りのないような表現にするのではなく、はっきりとした主張を行うことにしました。
固定術を受ける前に考えて下さい
腰椎の固定術の問題点について書いてみました。まとめると、次のようになります。
- 腰椎の変性疾患に対して、固定術の効果は実証されていない。
- 腰椎の固定術後には、隣接椎間病変が高率に発生する。
- 腰椎の固定は、一度してしまうと、元に戻すことはできない。
- 腰椎の固定術は、低侵襲な除圧術に比べて、何倍も医療費がかかる。
私自身の、顕微鏡的除圧術の成績は、論文として、一流学術誌に公表してあります。
Chang HS, Fujisawa N, Tsuchiya T, Oya S, et. al. Degenerative spondylolisthesis does not affect the outcome of unilateral laminotomy with bilateral decompression in patients with lumbar stenosis. Spine 39:400-8, 2014.
この記事をお読みになった皆さんで、もし固定術を勧められているようでしたら、是非一度、他の選択肢も検討されることをおすすめ致します。
以前コメント、メールをさせていただきました。
コロナ禍で治療は我慢してきましたが,朝の腰痛がとても酷くて辛いです。
以前分離部徐圧術を受けましたが,椎間板は完全に潰れてL5/Sの椎体がほぼくっついています。そのためモーディック変性による腰痛と言われています。
仕事は理学療法士、趣味でサーフィンをしていて、ずっと続けていきたいと思っています。やはり固定術しかないと言われています。でも将来の隣接椎間障害が怖いです。
どうしたら良いでしょうか…
コメントをありがとうございました。
私の経験では、「モーディック変性による腰痛」というものはありません。かならずどこかで神経根が圧迫されていると思います。診断には、thin-sliceでのMRIが必要です。そのうえで、除圧の追加がよいのか、固定がよいのかを判断することになると思います。
腰椎固定術を考えている者です。
Q1以下の私の状況で固定術を受けるべきでしょうか?
Q2 先生の診察は東海大学で受けられるのでしょうか?
以下に私の情報を載せておきます。
性別:男性
年齢:20代前半
診断:椎間板変性症
症状:非常に強い腰痛と下股症状
期間:2021年2月から現在まで
現状:強い症状のため無職で人生に絶望しています。ほぼ寝たきりです。
受けてきた治療法
保存治療
・腰の牽引、湿布、マッサージ、温め、椎間板ブロック注射、鍼療法、運動療法
↓
運動療法(体幹トレーニング)以外は全く聞かなかった
↓
理学療法士の指導の元2年間必死にトレーニングして来たけど、変わりませんでした。
手術療法
PLDD法
↓
全く効果なし
ブロック注射について
・椎間板ブロック注射を打った後、30分だけ症状がかなり緩和したため、椎間板に問題がある可能性が高いと思われます
固定術を考える理由
・約3年間適応される全ての治療を受けてきたが症状の緩和が一切なかったです。また、この症状のため、働くことができず、このまま無職を続けた結果、精神疾患などの二次的な病気に悩まされると身体でもって感じています。最低限の生活が送りたいとただそれだけ考えています。
固定術は受けるべきではないと思います。それだけの痛みがあるということは、どこかに原因があると考えるべきでしょう。それを正確に診断できれば、その部位の除圧を行えば問題は解決します。
私の考えでは、正確な診断を行うためには、通常行われている腰椎MRIでは不十分で、1mm程度の厚さの連続切片のMRIが必須です。
もし、私の外来を受診可能でしたら、受診してみてください。当日にMRIを撮影して、結果をお話しいたします。
はじめまして。お世話になります。64歳女性です。
1年半程前に腰痛と下肢痺れで整形病院受診したところ腰椎すべり症と診断されました。3ヶ月程で症状なくなりすべり症であることも忘れていました。1ヶ月程前突然酷い腰痛と下肢痺れで突然立つ事歩く事が困難になりました。再び受診だい第4腰椎変性すべり症による坐骨神経痛と診断され薬投与、ブロック注射を受けましたが痺れ痛みがなかなか改善されません。日常生活もままならず主治医からは固定術を勧められています。すべり症は固定術しかないと言われました。すべり症は除圧だけでは難しいのでしょうか。
先生のご投稿の固定術へのお考えを拝見しまして手術に対してますます躊躇しております。
診察是非受けたいと思い東海大学病院の整形外科外来担当医表見ましたが先生のお名前を見つける事ができませんでした。診察日をお知らせ頂ければと思います。
宜しくお願いいたします。
コメントをありがとうございました。
変性すべり症だから固定術しかない、というのは、医学的にも、根拠のない話です。実際私は、過去20年近く、すべり症に対しても除圧術を行ってきていて、全く問題はありません。
私は、整形外科ではなく、脳神経外科です。木曜日に外来をやっていますので、よろしければおいでください。
はじめてお世話になります。24才で1回目の椎間板ヘルニアの手術を受け、その後37才で2回目の椎間板ヘルニア摘出手術、43才で脊椎管狭窄症除圧手術を受け、昨年58才で椎間板ヘルニアの手術を受けました。全て同じ箇所で同じ先生に手術していただきました。
昨年の9月より、今まで以上の無かった左足臀部に痛みが出始め、間欠性跛行により10分程度しか連続で歩けなくなっております。主治医の先生からは今年の6月にMRIの結果から「固定術」を勧められておりますが、様々な理由により手術を受けることは避けたいと考えております。今は運動療法(エアロバイク)や体操による保存療法を行っていますが、変化はありません。このような症状では「固定術」しか改善する方法はないのでしょうか。
ご指導の程、よろしくお願いいたします。
コメントをありがとうございました。
複数回の手術をうけられていて、症状が残存、あるいは再発しているということでしょうか?それぞれの手術の後、症状がどの程度よくなったのかは、文面からはわかりませんが、現在の症状は、日常生活の妨げになっている、ということだと思います。
実際に診察をして、画像を見てみなければわかりませんが、複数回手術をしている、ということだけでは、固定術が必要、ということには必ずしもならないと思います。症状を出している原因が、画像で確定できれば、除圧の手術で解決できる可能性はあるかと思います。
ヨシ ユキヒロと言います。第五腰椎分離滑り症、酷い腰痛で腰痛固定術を提案されています。L4.L5.S1固定術は、避けたいです。
コメントをありがとうございました。
分離すべり症とのことですが、その場合でも、除圧手術は可能です。ただ、技術的には難しくなりますので、画像等を検討する必要があります。
第五腰椎分離滑り症、10数件診察しましたが低侵襲固定術を薦められます。ちなみに大阪なんですが先生の診察希望でありればどうすれば良いのでしょうか?
どちらかで紹介状を書いてもらって、
https://www.fuzoku-hosp.tokai.ac.jp/patient/outpatient/first/appointment/
を参考にされて、予約を取ってみてください。
ただ、私は2024年3月いっぱいで定年退官予定です。4月からは、東京逓信病院で外来と手術を続ける予定です。4月以降も、東海大学での手術は可能です。
早速のご返信ありがとうございます。
すべり症に対し固定術しかないと思い悩んでいましたが先生が20年間除圧術を行っていらして問題ないと伺い大変嬉しく思いました。
先生は脳神経外科なのですね。
では木曜日に診察に是非伺いたいと思います。
宜しくお願いいたします。
初めてお世話になります。
固定術を受けるべきかどうか悩んでおり、よろしければご教示いただきたく、コメントさせていただきます。
約1年前に圧迫骨折になった母(85歳:認知症あり)の介護をしている者です。
2022年12月に圧迫骨折疑いで整形外科を受診
→翌2023年1月に胸椎11番の圧潰が明確に確認され、姿勢も前傾に
→更に翌月2月に隣12番の圧潰も確認
、という流れで進み、2箇所目の圧潰が出た2月に体が右に傾いて右足を引きずる症状が出始めました。
その後徐々にその痛みや症状は軽減してきて、
途中7月に右大腿骨頚部骨折になって入院したものの、それは順調に回復して退院してきたので、圧迫骨折契機の症状にあまり変化はなかったのですが、
11月末頃から再び右側弯と痛みの訴えが急激に酷くなってきました。
圧迫骨折から始まった症状なのでその治療を、と思い受診しましたが、「椎体が潰れて骨癒合した状態になっているのでBKPは無理」との結果だったので、圧迫骨折に対する次の選択肢とされているらしい固定術を受けることを検討していました。
母は高齢ですがまだかなり元気であり、昨年7月に大腿骨の人工骨頭置換術を受けた際にも非常にスムーズに回復したので、健康状態がその時とそう変わっていない今ならまだ、ある程度侵襲のある手術もおそらく可能だと思っています。
ただ、年齢に加え、結構重度の認知症もあることから、今まで相談した病院では難色を示されています。
とくに先月半ばぐらいからは、動く度の痛みと右側弯・前傾が週単位で悪化してきている感じがあり、それに伴い認知症の方も急激に悪化し始めてきたという状況になっていますので、私としてはなるべく早急に何らかの対処を受けたいと考えています。
私の希望は
①本人が動く度に感じている痛みを解消したい
(認知症もあって痛みの訴え箇所がはっきりしないことが多いのですが、観察している限りではやはり主に腰・背骨辺りの痛みのようです)
②側弯・前傾を解消し、なるべく圧迫骨折前に近い姿勢で歩行や日常動作が行えるようにしたい
ということであって、必ずしも「固定術を」ということではないのですが、②を完全に満たすのは固定術なのだろうと思ったので、つい最近まで、固定術を受けれる病院を探していました。
しかし引き受けてくれる病院も少なそうですし、そもそも痛みや側弯の原因も現時点であまりはっきり分かっていない
(「手術できますか」という感じで受診したのが良くなかったのだと思いますが、BKPの適応になるかどうかの確認のためにMRIを撮ってもらった病院で「(圧迫骨折が変形して癒合してしまったこと+右大腿骨頚部骨折の影響)が主な原因でしょう」と言われただけの状態です)
ので、どういう治療を受ければ自分の希望が満たされるのか、だんだんわからなくなってきました。
これまでの受診先では「大きな手術はおすすめできないのでリハビリを頑張ってください」という回答しかいただけなかったのですが、そのリハビリの実施が痛み・側弯・前傾の悪化によって困難になってきており、途方に暮れています。
私の希望①②をバランス良く満たしてリハビリ等をしっかり行なえる状態にし、健康寿命をなるべく伸ばすための選択肢は固定術ではないのでしょうか。
「最初に受診した整形外科から言われるままに保存療法を選択せず、早めにBKPを受けておけばよかった」と強く後悔する気持ちもあって、私自身が固定術に過剰に期待を掛けてしまっている感じもあり、専門の先生からの適切な助言をいただきたいと思った次第です。
ご多用のところ恐れ入りますが、どうぞよろしくお願い致します。
コメントをありがとうございました。なかなか難しい状況のようですね。85歳という高齢で、重度の認知症があるということですと、固定術をしてくれる病院はなかなかないかもしれません。しかも、骨粗鬆症があるということですと、固定術のリスクも高くなると思いますので、なおさらかと思います。薬物療法にも限界があるかもしれません。手術で唯一残された選択肢は、圧迫されている神経根を同定して、除圧術を行うということですが、側湾症がある場合の椎間孔の除圧は、側湾の程度にもよりますが、技術的に難易度が高くなります。手術が可能かどうかは、実際に診察をさせていただいて、thin-slice MRIを撮影して、圧迫された神経根を同定し、認知症の程度も評価させていただく必要があるかと思います。
ご返信ありがとうございます。
関西在住のため、認知症の母を連れて東京まで受診に伺うのが困難ですので、まずは関西内でご教示いただいた対応が可能な病院を探してみて、見つからなければ、先生の診察をどうにかして受けに伺う方法を検討したいと思います。
初めてお世話になります。
腰椎脊髄腫瘍(ダンベル型)があり、後方除圧固定術が必要と言われております。
脊髄腫瘍の場合は仕方がないのでしょうか?
コメントをありがとうございました。
そんなことはありません。私は今までかなりの数の脊椎神経鞘腫の手術をしてきましたが、固定をしたことは一度もありません。
私の考えですが、脊椎腫瘍の手術は、脳神経外科医による顕微鏡手術を受けられたほうがよいかもしれません。(もちろん、医師によって、いろいろな考えはあろうとは思いますが)
ご返信頂きありがとうございます。
腰椎L4.5辺り腹側深い位置にあり、腫瘍切除後の硬膜穴が大きいので固定術は絶対必要といわれいます。
先生に一度診察して頂くには、今月はえびな脳神経クリニックへ伺えばよろしいでしょうか?
そうですね。えびなでは今月も休まず診療しています。
HPよりweb問診を行い、火曜日午後お伺いします。
よろしくお願い致します。
了解しました。気をつけておいで下さい。
大阪府在住の61歳男性です。6〜7年前から腰痛があり、近くの整形外科で受診したところ、すべり症と診断されました。この時は、我慢ができないほどの腰痛でもなく、足の痺れもありませんでした。
今から3〜4年前に腰痛が酷くなり、右足の痺れも出てきたため、同じ病院でレントゲンを撮ったところ、前回よりスベリが進んでいると言われました。牽引や赤外線治療しましたが、一向に良くならず、痛みも痺れも酷くなり、間欠破行も出てきたため、鍼治療なども受けましたが、一向に良くなりませんでした。そこで、昨年6月に別の病院に行きMRI撮影してもらったところ、分離すべり症と診断され、手術を勧められましたが、リスクがあると感じ、リハビリを選択しました。約3ヶ月通院し、以後、自宅でリハビリ(ストレッチ中心)を続けましたが、良くならず、本年に入り、再度この病院を受診、最後にブロック注射を3回してもらいましたが全く状況は変わりませんので、2ヶ月後に手術してもらうことになってます。手術は除圧と固定術です。痛みの中心は、右臀部、右股関節です。MRIでは、脊柱管の圧迫はないとのことです。横に走っている神経が圧迫されていると説明を受けました。手術を受けるにあたって色々と調べていたところ、先生のコメントを拝読し、固定術がかなりリスクがあると思い質問するに至ったわけです。画像を見られていないので、なんとも言えないとは思いますが、この様な状況で、固定術は必要ですかご教示お願いします。
コメントをありがとうございました。
分離すべり症でも、除圧術は可能ですが、通常の椎間孔狭窄症よりは、除圧が技術的に難しくなります。ですので、分離すべり症の場合は、固定術を選択するのも、必ずしも悪くはないかもしれません。実際のところは、画像を見てみないと、なんとも言えませんので、あくまで参考としてください。
ありがとうございました。
手術に踏ん切りがつきました。手術して、早く痛みのない生活に戻りたいです。
2023年5月に私の妻がすべり症による脊柱管狭窄症と診断され椎弓固定術、椎弓切除術、椎弓形成術の手術(後方固定術)を受けスクリューが第3、4、5に左右六本入っています。手術直後からスクリュー部分、特に第5の右の所が痛く検査を受けたところ神経の玉のような物があるので手術で観てみようと、12月に受けたところ神経ではなく邪魔をしていた物を取り除いたら以前より痛みが和らいできたのですが、スクリュー部分は依然として痛みがあります。右下のスクリュー部分に少し隙間あるが今度mriを撮って観る予定を
いれています。固定術
は特に問題はないとの事、でも本人はいつも痛い想いをし一生辛い想いをしなせればならないのかと嘆いています。痛み止めのツートラムを服用していますがそれほど効果があるとは思えず市販の痛み止めも服用しています。この間、別の整形外科2ヵ所で調べてもらったらスクリューが悪さしている事はなくリハビリ何かアドバイスがあればと相談
と骨密度が同年令の人より低いので週2回注射(デリボン)を射っています。主治医になんとか痛みの原因をみつけてほしいと予定をいれています。このような状態ではスクリューを抜くわけにもいかずどうすればよいのか悩みます。何かアドバイスがあればとコメントを書いた次第です、先生は今月で退官との事眼に留まればアドバイスをお願いいたします。
コメントをありがとうございました。
たいへん辛い状況かとお察し致します。
同じような相談はよく受けます。多くの場合は、よく調べると椎間孔での神経の圧迫が見つかります。手術でよくすることができたケースも多いですので、可能であれば、一度診察をさせていただければと思います。
ただ、私の印象では、このような多椎間の固定は結果がよくないことが多いようです。一度固定したものは、元には戻せません。その限りで言えば、このようなケースでの治療は、フレッシュな状態での通常の除圧術に比べると、どうしても不利にはなります。
お近くでしたら、私にできるだけのことはして差し上げたいと思いますので、一度、受診を御検討ください。
忙しいなかご返事頂きまして有り難うございました。昨日29日に手術をした病院の予約日でしたのて行ってきました。MRIを撮影しましたが手術直後の写真と比較しスクリューの入っている所は変化なく脊柱管の神経も綺麗に通っているので問題点は見当たらないとの事。あとこちらから痛みを取り除く方法として1、電気治療法2、ブロック注射について聞いたのですが1については今の段階ではお勧めしにくい2については何をブロックするのかはっきりしないので、と、ゆう事だったのでもう限界かなと思い次回の予約をとって帰宅しました。その後に先生からの返事 を見まして一度先生の診察を受けてみたいと前向きに考えています。先生の勤務先は東京逓信病院の脳神経外科で火曜日の午前と木曜日の午後でよろしかったでしょうか。電話予約で伺う事になろうかと思います。ちなみに私の住まいは富山市ですので直ぐとはなかなかいかないのですが、お邪魔したその節は宜しくお願いいたします。
了解致しました。遠方で大変ですが、受診いただければ、私にできるだけのことを致します。
先程コメントいたしました時に聞きたかった事かありますので追加します。東京逓信病院でもthin-slice3dMRIは受けられるのでしょうか。
物理的には可能ですが、部門間の調整や、病院の決まり事があります。何分赴任前ですので、実際に赴任してからスムーズに動き出すまでには少し時間がかかるかもしれません。
今朝、このブログを見つけ
救われた思いがしています。
去年の4月に腰椎L5.S1のヘルニアの手術を受け、痺れや一部麻痺も残りましたが結果は
良好でした。しかし、9か月後に痺れの範囲が急に広がり
動けば動くほど痺れが増すため
もう、今はほぼ寝ている状態です。
MRIを先週受けたところ、
腰椎関節に袋ができていてそれが神経を圧迫しているのでしょうといわれました。一月に受けたMRIでは症状はあっても何も映っていなかったのか、大丈夫ですよとしか言われなかったのですが。
この袋は自然に消えることもありますが、消えずに手術をすることになった場合は固定しますといわれました。
一度目のヘルニアはかなり大きかったらしく、そのせいもあって固定しなければならないのでしょうか?
また、私の場合足の小指側から少し麻痺が残っています。
神経ブロックはできないのでしょうか?
お忙しいところすみませんが
お返事いただければ幸いです。
腰椎の手術後に、椎間関節の内側に滑液嚢胞とよばれる袋状のものができて神経を圧迫することは、しばしばあることです。顕微鏡で手術ができれば、再手術で摘出することができます。実際の画像を見てみなければ、はっきりしたことを申し上げることはできませんが、おそらく固定をする必要はないだろうと思います。神経ブロックは、麻酔をして一時的に痛みを和らげるだけですので、あまり根本的な治療にはなりません。
お忙しいなか、早速の
お返事ありがとうございます。おそらく固定の必要はないでしょうとのことで少し安心しました。
今、通っている病院で
再手術はしないことだけは決めました。
ありがとうございました。
先日4月27日に関節嚢胞のことでご相談させていただいた福岡在住の61才女性です。
2回目の手術になりますが
顕微鏡下で手術できれば
おそらく固定の必要はないでしょうと言っていただき福岡の方でそういう病院をいくつか見つけましたがやはり、私は張先生に手術していただきたいと思っています。
もし、先生に手術して
いただけるなら、手術の
待機期間はどのくらいになるのでしょうか?
このようなことまで、ここでお聞きしてもよろしいでしょうか?
また、関節嚢腫というものが自然に治る可能性は
どのくらいあるのでしょうか?影にヘルニアが隠れて
いるのでは?と心配もしています。
すみませんが、ご返答
よろしくお願いいたします。
福岡でも十分手術は可能と思いますが、私のところですと、今の所、7月頃の手術になります。自然に治る可能性は、とのことですが、実際に診察をさせていただき、画像を見てみなければ、なんともコメントできません。
私は変性側弯症と腰部脊柱管狭窄症のために2020.6.に前方矯正固定(LIF)・後方除圧固定(PLIF)手術をしました。3週間ほど入院して退院しました。が、1~2週間したら左足に激しい痛みを感じて手術した整形外科を訪ねたらレントゲンを撮ったらネジが取れてしまっているとのことで翌月、再手術をしました。前回より長いチタンの棒を入れて固定して1ヶ月ほど入院しました。
暫くの間はコルセットをしたままの生活でした。外来通院を続け主治医からコルセットを外して良いとのことで外して生活が始まりました。しかし、腰の辺りが重い感じがして歩くのがかなり大変でした。今もこの症状は続いています。1週間ほど前からこの重い感じが更に重くなりチタンの棒のネジの辺りに痛みを感じてきました。主治医に診てもらったのですが、レントゲンでは何ら変化は無いとのことでした。私はチタンの棒を取り去れば今の私の症状は無くなる様な気がしてなりません。そのことを主治医に言ったら、既に腰の五つの骨はくっついているのでチタンの棒を取っても今の症状が無くなるとは思えないと手術をしようとはしません。むしろ、今より更に悪くなるかもしれないと言われてしまいました。
どうなんでしょうか?
宜しくお願いいたします。
コメントをありがとうございました。
同じような状況でお悩みの方は多くいらっしゃると思います。
状況はケースバイケースですので、実際に診察をしてみなければ、どのようなことができるかはお話できません。
固定術をしてしまうと、その後に問題が起きても解決することが難しくなりますが、追加の手術で良くなった例もたくさんありますので、もしよろしけれは、一度診察をさせていただければと思います。
RES ありがとうございます。ぜひ、張先生に一度診ていただきたいと思います。
ご返答ありがとうございます。
福岡でも顕微鏡下の手術はできても、やはり固定と
言われるのではないかと
心配です。張先生に固定した方がよいと言われたら
仕方ないかと思えるかもしれません。
一度、診察に伺い、次は、
手術前日ぐらいに入院ということでも、可能でしょうか?
なにぶん、遠方なもので
このような質問をして
すみません。
お手数ですが、諸事情から、最低2回外来に来ていただく必要があります。入院日も、病院の事情により、原則として金曜日入院、月曜日手術というスケジュールになります。
4/11(木)に予約が取れました。
宜しくお願い申し上げます。
座っている状態では痛みはありませんが、歩くと左臀部から足首までが痛く2分程しか歩けない間欠性破行の症状が約2ヵ月半程あり悩んでいます。整形外科を受診してレントゲンでは問題なしですがCTで第5腰椎の分離症が確認されました。もっと詳しく診断するためMRIを撮る予定となりましたが、分離症があるので手術になると固定術を示唆されています。分離症があっても、除圧術のみの手術は可能でしょうか?分離症をそのままにしておけば歳をとり筋力が低下して行けば滑り症に発展し、結局また固定術を余儀なくすることとなるものなのでしょうか?とても悩んでいます。できれば先生のご意見を頂きたいです。
コメントをありがとうございました。分離症にともなう椎間孔狭窄に対しては、除圧も可能ではあります。いままでに行った症例でも、良い結果の方が多くいらっしゃいますが、手術が少し難しくなりますので、いまのところ、自信を持ってお勧めする、という状況ではありません。ただ、私の技術も以前に比べれば上達していますので、現在では成功率が高くなっているかもしれません。除圧を試みてみて、症状の改善が得られなければ固定術を考えるということも可能ではあります。少し歯切れの悪い回答ですが、ご検討ください。